東京でも見つかる?働く20代に注目される“低価賃貸住宅”のリアル
東京都心に住む、ということは、多くの若者にとって「夢」であると同時に「経済的な壁」でもあります。2025年現在、東京23区内でワンルームや1K物件を探すと、平均家賃は約8万円以上。水道光熱費やネット代、通勤費を含めると、一人暮らしの月の生活コストは軽く15万円を超えます。 一方で、働き始めたばかりの20代が毎月手にする手取りは平均18〜22万円ほど。これはつまり、収入の半分近くが家賃に消えているという現実です。 そんな中、注目されているのが「低価賃貸住宅」。つまり、家賃5万円以下で借りられる東京近郊の住宅です。一見、非現実的に見えるこの価格帯の物件が、今なぜ20代から支持を集めているのでしょうか?
1. 実際にあるの?東京近郊の「5万円以下」物件
結論から言えば、あります。もちろん、山手線沿線や渋谷・新宿のような繁華街エリアでこの家賃帯を探すのは至難の業ですが、都内でもエリアと条件を絞れば十分に現実的です。
✔ 低価格帯物件の代表エリア
これらの地域には、築年数が古くても内装リフォーム済みの物件や、駅から徒歩10分圏内、オートロック付きのアパートも存在します。
2. なぜ20代が“低価物件”を求めるのか?
💰 理由①:収入とのギャップが広がる一方だから
日本ではここ10年、物価は上昇し続けているにもかかわらず、新卒給与の平均はほとんど横ばい。2025年現在、新卒の初任給はおよそ月21〜23万円。そこから税金や社会保険を引かれれば、手取りは17〜19万円前後です。
「できるだけ家賃を抑えたい」「でも都内にアクセスできる距離で暮らしたい」と考える若者が、“低価住宅”に注目するのは当然の流れと言えるでしょう。
📱 理由②:リモートワークが定着、都心至上主義が崩れる
コロナ禍をきっかけに、IT・デザイン・マーケティング業界では完全リモート or 週1出社が一般化。これにより、以前なら「都心近くに住むことがマスト」だった働き方が変化しました。
その結果、「多少郊外でも、家賃が安くて広い家に住みたい」「通勤しなくていいなら、環境の良い場所を選びたい」と考える人が増えています。
3. 20代に人気の“低価住宅”タイプとは?
以下のような住宅タイプが、働く20代から人気を集めています:
🏢 築古リノベ済みアパート
- 家賃:4〜5万円
- 特徴:昭和〜平成初期築でも、内装フルリノベーションで綺麗。
- メリット:安くてキレイ+ネット環境が整っている物件も多い。
🛏 家具付きシェアハウス
- 家賃:3.5〜4.5万円(共益費込み)
- 特徴:共用のキッチン・リビング、個室はベッドと机付き。
- メリット:敷金礼金不要、光熱費込みでコスパ良し。人とのつながりもできる。
🏘 UR賃貸・自治体の若者支援住宅
- 家賃:4〜6万円(エリアにより異なる)
- 特徴:礼金・仲介手数料なし、更新料不要、安定した管理。
- メリット:収入証明などがあれば新卒でも入居可能。長期的に安心して住める。
4. 実際の若者の声・ケーススタディ
📌 ケース1:23歳・営業職・西新井在住(家賃4.9万円)
「駅まで徒歩10分で、築30年のアパートですが、中はリフォームされていて清潔。都心の飲み会も終電で帰れるし、何より生活費が抑えられるのが嬉しい。」
週末は趣味の音楽制作に時間を充てているという彼にとって、住居費の抑制は「自由時間の確保」に直結しているとのこと。
📌 ケース2:25歳・エンジニア・町田在住(家賃3.8万円)
「完全リモートワークなので、都心に住む必要がない。町田だと家賃も安く、自然も多くて暮らしやすいです。浮いたお金でサブスクや自炊に投資できるのが嬉しい。」
5. 低価格賃貸の“注意点”と上手な選び方
🔍 注意点
- 築年数が古いため、断熱性や防音性に注意。
- 駅距離がやや遠い場合がある(徒歩15分など)。
- 初期費用(敷金・礼金)が意外と高い場合もあるため要確認。
✅ 選び方のコツ
- 「家賃+通勤時間」のバランスで選ぶ。
- 内見時に“共用部”の清潔感を確認する。
- 光熱費・ネット込みのシェアハウスも視野に。
- 不動産サイトの「リノベ済み」「DIY可」で絞り込み検索が有効。
6. 終わりに:安くても、心地よく暮らせる時代へ
「家賃が安い=生活レベルが低い」と思われがちですが、2025年の今、低価格賃貸住宅は“賢い選択”として再評価されています。
収入が限られていても、自分の価値観や生活スタイルに合った住まいを見つけることは十分可能です。そしてそれは、単なる節約ではなく、自分らしい暮らし方の第一歩でもあります。